EQUIPMENT
基本構造
地震に強い建物を造る
建築基準法の考え方
地震の多い日本の建築基準法は世界的に見ても非常にレベルの高いものです。基本になっているのは、中小規模の地震に対して建物の損傷を防止するとともに、数百年に1度の確率で起こる大規模な地震に対して、ひび割れ等の損傷は受けても建物を崩壊させず、人命を保護するという考え方です。
耐震構造
耐震構造とは、地震の揺れに対して柱・梁および耐力壁が一体となって抵抗する構造です。現在作られている多くの集合住宅は、鉄筋コンクリート造の耐震構造を採用しています。
ボーリング調査(参考写真)
地盤調査
確かな強さを備えた地盤、建物の荷重をしっかりと地盤に伝える基礎があって初めて、建物はその強度を発揮します。当マンションは事前に、敷地調査とボーリング調査、標準貫入試験などの地盤調査を実施しています。
場所打ちコンクリート拡底杭概念図
基礎の構造(場所打ちコンクリート拡底杭)
基礎は建物の荷重を直接受け支え、支持層に伝達する最下部の構造体。当マンションでは、鉄筋コンクリート造の杭を現場でつくる場所打ちコンクリート杭(26本・軸径約1.0m~1.8m)により、地下約32m以深の強固な支持地盤に伝えています。さらに、全杭の先端を拡げ、支持地盤に対する接地面積を広げることで力強い支持力が得られる拡底杭を採用しています。
溶接閉鎖型せん断補強筋概念図
溶接閉鎖型せん断補強筋
建物の主要な柱の帯筋※に継ぎ目を溶接した、溶接閉鎖型のせん断補強筋を採用。フック加工の帯筋よりも、せん断力や圧縮力に対して、ねばり強く抵抗します。
※帯筋とは:鉄筋コンクリート柱の主筋を一定の間隔で水平方向に巻く鉄筋。せん断補強の役割のほか鉄筋のはらみ防止の役割を果たす鉄筋で、フープともいいます。
※地中梁との仕口部除く
かぶり厚さ概念図
鉄筋コンクリートのかぶり厚さ
コンクリートの中性化が極度に進むと、コンクリートの中の鉄筋は錆びやすくなります。鉄筋が錆びると膨張し、コンクリートの破損の原因になります。これを防ぐために、鉄筋を包むコンクリートの厚さ「かぶり厚さ」を適切に確保します。
コンクリートの水セメント比概念図
水セメント比50%以下
コンクリートは水(混和剤※1含む)の比率が少ないほど耐久性を高めることができるため、水セメント比を50%以下に設定しています。
※1.混和剤とは:ワーカビリティ(作業のしやすさ)改善や強度・耐久性の向上、凝結速度の調整などを目的としてコンクリートに混和される薬剤の総称。
※2.スラブとは:床構造をつくり、面で垂直な荷重を支える板のことです。
※コンクリートの性質上、乾燥収縮や温度変化による伸縮に伴うひび割れが発生する場合があります(一般的に構造上の問題はありません)。
※杭・工作物・付属棟・機械式駐車場基礎および外構部分のコンクリートを除く、建物本体部分の柱・梁・スラブ※2といった構造躯体のみ。
かぶり厚さ概念図
コンクリートの品質
コンクリート耐久設計基準強度(構造物および部材の供用期間に応じた耐久性を確保するために必要とする圧縮強度※1)の概念を導入し、柱、梁といった構造躯体については設計基準強度を30N/mm2※2以上としています。
※1.圧縮強度とは:圧縮荷重によって試料が破断する時の最大応力のこと。(応力:物体に外力が加わる際、その物体内部に生ずる抵抗力。)
※2.30N/mm2とは、1㎡あたり約3,000トンの圧縮に耐えられる強度を意味しています。
※杭・工作物・付属棟・機械式駐車場基礎および外構部分のコンクリートを除く、建物本体部分の柱・梁・スラブといった構造躯体のみ。
劣化対策等級3
《設計住宅性能評価》の「劣化対策」において、最高等級の等級3を取得しています。鉄筋の錆対策など、住宅を長持ちさせるための対策の程度を示す等級。「等級3」は3世代(75年~90年程度)まで大規模な改修工事を必要としない対策が講じられていることを表します。
快適性能
心地よく暮らせる居住性に配慮する
住戸内の遮音対策
水まわりやパイプスペースに面する壁は遮音に考慮した納まりとしています。
※配管・配線の関係で、天井内・床下の壁部分に点検口、切欠きが生じる場合があります。※部位により多少仕様が異なる場合があります。
重量床・軽量床衝撃音対策
当マンションは、コンクリートスラブの上に直接フローリング等の仕上げ材を施す直床構造を採用しています。上の階からドスンと響いてくる音などの重量床衝撃音に対しては、約200mmの床スラブ厚を確保することで、またスプーンを落とした時のコツンという音やスリッパで歩くパタパタという音などの軽量床衝撃音に対しては、直貼り用フローリング⊿LL(I)-4等級の製品を敷き込み、各々衝撃音の軽減を図っています。
※直床は騒音低減対策としてクッション材を採用しているため、若干の沈み込みが生じたり、壁際に重量物等を置いた時などに床仕上材がたわみます。※直床の遮音等級(⊿LL(I)-4等級)は、JISの定める実験方法によるデータに基づきメーカーが表示した直床の軽量床衝撃音レベル低減量を示したもので、竣工後の実際の住戸内での遮音性能を示すものではありません。※フローリングは、温度・湿度により伸び縮みが生じるため、軋み音が発生したり、隙間ができることがあります。
住戸間の遮音対策
隣接する住戸間の戸境壁は、コンクリート厚約220mmを確保、または一部乾式耐火遮音壁を採用しています。さらに、戸境壁に直接コンセントボックスを設けないなど、建物設計の段階からきめ細かく遮音性能の向上に努めています。
[シックハウス対策]
からだにやさしい建材
シックハウス症候群の主な原因とされる化学物質・ホルムアルデヒドは、接着剤や合板に含まれます。当マンションでは、壁紙と壁紙に使う接着剤、フローリングやキッチンキャビネット、クロゼットなどの素材となる合板とパーティクルボード等はF☆☆☆☆等級の人体に優しい建材を採用。お客様にお引き渡しする前に十分に換気するなど、品質管理面での対策を行っているほか、24時間微風量換気システムや換気口によって、常に換気ができるよう配慮しています。
[ユニバーサルデザイン]
低床式ユニットバス
またぎの高さを抑えた低床式のユニットバスを採用。浴室への段差も極力なくし、移動がラクに行えるよう配慮しています。
低床式ユニットバス(参考写真)
音の感じ方は個々人によって違うもの
マンションは床スラブ・戸境壁が他住戸とつながっているため、上下階やお隣の生活音が響いてきます。生活音の伝わりを完全に遮断することは現実的に困難で、過度な対策は住み心地にも大きな影響を及ぼしてしまいます。また、同じレベルの音であっても、生活する時間帯や個々人の育った環境などで、感じ方は異なります。当マンションは音を伝えにくくする工夫を施していますが、大切なのは音に対するマナー。お互いが配慮しながら生活することが、マンションライフのマナーだといえます。