お住まい選び

住まい購入の最初の一歩
資金計画について知りましょう。

風呂内 亜矢(ふろうち あや)先生 プロフィール
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFPR認定者、宅地建物取引士
2013年、ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信中。著書『貯金80万円、独身の私にもできた!自宅マンションを買って「お金の不安」に備える方法』

住まいの購入にあたって最も気になる『資金計画』。「いくらくらいの物件が買える?」「毎月のローン返済額のほかにも必要なお金はある?」「頭金はどれくらい用意すればよい?」などわからないことが多く、金額も大きいために不安になることも。そこでマンション購入に関わる「お金の基本情報」について、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢先生にお話を伺いました。

資金計画について<[第1回]資金計画の立て方><[第2回]住宅ローンの種類と特徴を知りましょう。><[第3回]税金を知って、賢い住宅購入を。>の全3回に分けて解説します。ご自身のライフプランに合わせた資金計画のためにぜひお役立てください。

住宅購入資金計画 [第1回] 資金計画の立て方住宅購入資金計画 [第1回] 資金計画の立て方

1. 資金計画のポイントとは?

「家を買おう!」と思い立ったら即行動!…でもその前に。

独立やご結婚、お子さま誕生などを機に、住宅購入を思い立たれる方が多いようです。それは希望に満ちた人生のステップアップの時期であり、マイホームへの夢も大きく広がります。「善は急げ」とばかりに早速物件探しやモデルルーム見学と行動を起こすことも大切です……が、ちょっと待って!住まい探しを成功に導くために、事前に準備をしてから行動を開始しましょう。

物件を見に行く前に、まずやるべきことがあります。

思い立った時の勢いはとても大切なことですが、その勢いのままにモデルルームの見学へ出かけてしまうと、目の前にあるものがついつい欲しくなってしまいます。でも住宅ローンのシミュレーションを見て諦める―――こんな行動を繰り返してしまうのは、時間がもったいないですね。そこで、行動を起こす前に、まずは「わが家が購入できる物件価格はどれくらい?」とある程度の予算を知っておくことをお勧めします。

2. わが家はいくらの物件が買える?

予算見極めにあたって、知っておかなければならない大切なこと。

わが家が購入できる物件価格を算出する上で重要なポイントがあります。マンション購入後の住居費は住宅ローン返済額だけではないということです。返済額のほかに毎月の管理費や修繕積立金、さらに固定資産税が必要になります。このことを念頭に置いて予算を見極めましょう。

予算の見極めには、大きくは2つの方法があります。

1現在の住居費から考える。

現在の家賃など住居費として充てている金額がどれくらいかが、住宅ローン返済可能額の大まかな目安になります。年間総額を把握してみましょう。

2手取り年収の30%以内を目安に。

一般的には住居費を年収の手取り額の30%以内に収めることが、生活設計の上でも安心ラインと言われています。

  • 例えば世帯年収600万円のケースで試算してみましょう。

  • 年収600万円なら約80%の480万円がおおよその手取り金額です。
    480万円の30%は約140万円。
    この金額が住居費の目安となります。

  • ここから管理費・修繕積立金の月額2万円/年額24万円、
    年間の固定資産税15万円と仮定すると、
    140万円-(24万円+15万円)=約100万円
    100万円÷12カ月=約83,000円
    この金額が毎月の住宅ローン返済額の目安となります。

住宅ローンシミュレーターで購入可能な物件価格を算出してみましょう。

住宅ローンシミュレーターで購入可能な物件価格を算出してみましょう。
毎月の住宅ローン返済額が把握できたら、この金額を基に住宅ローンのシミュレーションをしてみましょう。「35年返済、金利1.5%」等の条件を入力すると、住宅ローン借入可能額の目安を知ることができます。これらの計算を積み重ねていくと、概ね年収の5倍程度の融資額が余裕をもった借入額と感じる目安になるようです。もし気に入った物件がそれよりも高額だったとしても、大丈夫。その差額分を頭金として準備したり、早期に繰上げ返済を目指すなど、方策はいろいろあります。マンションを購入することで得られる生命保険効果で、現在支払っている保険料を見直して節約できるようであれば、その金額を毎月の住宅ローン返済額に加算して考えてみるのも一つの手立てです。
いずれにしても住宅ローンを返済しながら、毎月少しずつでも貯金に回せる余裕をもった資金計画を心がけたいですね。

住宅ローンシミュレーターを使ってみる

3. 諸費用とは?頭金はいくら用意したらいい?

物件価格以外にも、入居までに諸費用、入居後にはランニングコストがかかります。

入居までに必要な諸費用とは印紙代や登記費用、事務手数?、火災保険?など物件価格の3~6%が目安です。例えば4,000万円の物件なら120万円~240万円となります。また入居後には月々の住宅ローンや管理費、修繕積立金のほかに固定資産税などが必要になります。

頭金は物件価格の約20%が理想とされています。

頭金を多く用意できればその分だけローンが少なくなり、ゆとりをもって返済計画を組むことができます。理想は物件価格の20%と言われ、例えば4,000万円の物件なら800万円となります。さらに諸費用分も別に用意ができれば、とても理想的です。

頭金が理想額に届かなくても…。

上記の理想額ほど頭金が用意できないからといって、購入を先送りする必要はありません。頭金が貯まるまで待とうという考えもありますが、貯めている間も家賃は払い続けなければなりません。また金利の上昇や増税、税制優遇制度の終了など社会状況の変化もあるため、低金利のうちに早目に購入した方が結果的に賢明な判断となる可能性もあります。また、住宅ローンの選び方を工夫するなど頭金の不足分をカバーする方法もあります。不安に思ったら、まずは気に入った物件の営業担当者に相談してみましょう。

4. お金が必要なタイミングは?

大きくは3回のタイミングがあります。

「売買契約時」「売買契約後~引渡し時」「引渡後」の3つのタイミングで各種の費用を支払います。詳しくは下記をご覧ください。その時になって慌てないよう、あらかじめ用意しておきましょう。

新築マンション購入時のお金が必要なタイミング新築マンション購入時のお金が必要なタイミング

1.売買契約時1.売買契約時

  • 手付金
    (物件価格の10%が目安
    引渡し時に支払う諸費用や頭金として充当)
  • 印紙代

2.売買契約後~引き渡し時2.売買契約後~引き渡し時

住宅ローン契約時
  • 印紙代
引渡し直前~引渡し時 (残金決済)
  • 物件価格
  • 諸費用
    - 事務手数料
    - 住宅ローン保証料または融資手数料
    - 火災保険料
    - 登記費用
    - 修繕積立金
      または管理準備金(一括払い)

3.引渡後3.引渡後

入居時
  • 引っ越し代
  • 家具・家電購入費用
月々
  • 管理費
  • 修繕積立金
  • 住宅ローン支払い
その他
  • 不動産取得税
    (引渡し後半年から1年半くらいの間に1回払い)
  • 固定資産税、都市計画税
    (毎年/年一括または年4回で分納)

※各費用の項目、名称等は購入物件によって異なります。詳しくは物件担当者にご確認下さい。