お住まい選び

住まい購入の最初の一歩
資金計画について知りましょう。

風呂内 亜矢(ふろうち あや)先生 プロフィール
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFPR認定者、宅地建物取引士
2013年、ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信中。著書『貯金80万円、独身の私にもできた!自宅マンションを買って「お金の不安」に備える方法』

『資金計画』の大きなポイントとなる「住宅ローン」。長期にわたる返済になるので、さまざまな条件を比較して、ご自身に合った住宅ローンを選ぶことが大切です。今回は住宅ローンの種類や選び方の基礎知識について、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢先生にお話をお伺いしました。

住まい購入にまつわる資金について<[第1回]資金計画の立て方><[第2回]住宅ローンの種類と特徴を知りましょう。><[第3回]税金を知って、賢い住宅購入を。>の全3回に分けて解説します。ご自身のライフプランに合わせた資金計画のためにぜひお役立てください。

住宅購入資金計画 [第2回] 住宅ローンの種類と特徴を知りましょう。

1. 住宅ローンにはどんな種類があるの?

ここでは、代表的な4つの住宅ローンをご紹介します。

1銀行ローン

民間の銀行等が貸し出しをしている住宅ローンです。不動産会社の「提携ローン」であれば、所定の条件を満たすことで店頭金利よりも低い金利で利用できるものもあります。また、銀行によって金利のタイプやローンの条件、優遇金利の有無等が異なるため、数多くの選択肢の中からご自身に合ったものを選べるというメリットがあります。

2フラット35

住宅金融支援機構と民間金融機関との連携で行われる長期固定金利の住宅ローンです。住宅ローン契約時に返済終了までの借入金利と返済額が確定するため、長期にわたるライフプランを立てやすくなります。ただし、団体信用生命保険は別立てになっていますので、その点に注意して他の住宅ローンとの比較をしましょう。また、省エネや耐震性などいくつかの点で優れた性能があれば、一定期間金利が引き下げられる「フラット35S」が利用可能です。
※「フラット35S」には予算金額があり、予算の上限に達する見込みとなった場合は受付終了となります。

3財形住宅融資

勤務先で一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄のいずれかを1年以上継続中で、勤務先から住宅についての援助、負担軽減措置が受けられる等の利用条件にあてはまる場合に利用できる融資です。銀行ローンやフラット35との併用も可能です。

4社内住宅融資

勤務先の福利厚生制度として借りられる住宅ローンです。会社ごとに利用条件を設けているので、まずは、勤務先に相談してみましょう。

それぞれの融資の特徴とご自身のライフプランや購入計画を照らし合わせて、ご自身に合った住宅ローンを選ぶことが大切です。

2. 金利はどんな種類があって、それぞれどんなメリットがあるの?

金利には「変動金利型」「固定金利特約型」「全期間固定金利型」の3種類があります。

1変動金利型

一般的に、半年に1回の金利見直しがあり、返済額は5年ごとに見直されます。金利の変動があった場合、5年目の返済額見直し時に反映されるため、返済額が変わる可能性があります。「固定金利型」に比べて金利は安く設定されていますが、経済状況による金利変動の影響を受けやすくなっています。

2固定金利特約型

2・3・5・10年など一定期間だけ金利を固定します。固定金利特約期間終了時には変動金利型となりますが、その時点の金利で固定金利特約期間を再設定することもできます。返済額は固定金利特約期間終了後に見直されます。(適用金利の変更による返済額の増減に限度はありません)

3全期間固定金利型

「変動金利型」に比べて金利が高めですが、ローン実行時に金利が決定し、総返済額が確定するため長期の資金計画が立てやすくなります。今後の返済期間で金利が上がることが予想される場合は、「全期間固定金利型」を選ばれる方がよいかもしれません。

図版で見る「変動金利型」「固定金利特約型」「全期間固定金利型」のポイント

金利だけにとらわれず、それぞれの特徴をよく理解することが必要です。

変動金利型

変動金利型

金利は半年ごと、返済額は5年ごとに見直し
(変更前の1.25倍まで)

メリット
固定金利型と比べて金利は安め
固定金利特約型に変更できる
デメリット
返済期間中に金利が上がると返済額も増加する
将来の返済額が確定できない

固定金利特約型

固定金利特約型

固定金利特約期間終了時に、
変動金利と固定金利を選択可

メリット
一定期間の金利が確定
全期間固定金利型よりも金利が安め
デメリット
固定金利特約期間終了後の返済額が確定できない
特約期間中は変動金利型へ変更できないことが多い
固定金利特約期間を再設定する際に手数料が必要になる場合がある

全期間固定金利型

全期間固定金利型

完済まで金利も返済額も一定

メリット
総返済額が確定しているので資金計画が立てやすい
デメリット
変動金利型と比べて金利が高め
他の金利種類へ変更が出来ない

3. 返済の方法も選べるの?

返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。

1元利均等返済

毎月の返済額の元金と利息の割合を変えることで、返済額を一定にする方法です。メリットは返済開始時から終了まで返済額が一定なため、返済計画が立てやすいことです。

2元金均等返済

毎月の返済額のうち、元金を均等にする方法です。元金の返済が早く、トータルで見た時に支払う利息が少ないというメリットがあります。また、徐々に返済額が減っていくため、家計の負担は次第に少なくなっていきますが、返済開始時の支払額が大きいというデメリットもあります。

図版で見る「元利均等返済」「元金均等返済」のポイント

一般的には長期計画を立てやすい「元利均等返済」を選ばれるケースが多いようですが、それぞれのメリット・デメリットをよく検討し、ご自身に合ったものを選びましょう。

元利均等返済

元利均等返済

返済額が一定 (元金 + 利息)

メリット
返済額が一定で返済計画が立てやすい
デメリット
元金均等返済に比べて元金の減るペースが遅いため、金利分の支払いが多い

元金均等返済

元金均等返済

毎月返済する元金が一定

メリット
返済が進むにつれて毎月の返済額が少なくなる
トータルで支払う利息が少ない
デメリット
返済当初の支払い負担が大きい

4. 自分にとって最適な住宅ローンの見極め方は?

将来のライフプランなど、長い目で見た住宅ローン選びを。

それぞれの住宅ローンのメリット・デメリットをご自身の年齢や年収、資産の状況と照らし合わせて、よく検討することが大切です。さらに、住宅ローンは最長35年と長期にわたる返済です。お子さまの誕生や教育費の増加など、10年後、20年後の変化も視野に入れて、無理のない返済計画が立てられる住宅ローン選びを心がけましょう。
専門知識や計算も必要になりますので、気に入った物件の販売センターを訪れて資金計画の相談をすると、より具体的な情報が得られます。また、住宅ローンシミュレーターを利用して試算してみることをお勧めします。

住宅ローンシミュレーターを使ってみる

住宅ローン用語のミニコラム

住宅ローンにまつわるたくさんの専門用語。その中でもよく登場する用語をいくつかご紹介します。
理解を深めて、スムーズな資金計画のためにお役立てください。

団体信用生命保険

住宅ローンを借り入れる際に加入する生命保険のことで、「団信」「団信保険」の略称で呼ばれています。借入者が万一死亡・高度障害等になった場合、住宅ローン残高を保険金によって返済し、遺されたご家族に負担が残らないようにする団体保険制度です。銀行ローンの場合は団信への加入が義務付けられていますが、住宅ローン金利に保険料が含まれているため、別途保険料を支払う必要はありません。

※「フラット35」の場合は任意加入です。
※最近は、三大疾病まで対象にしたオプションプラン(保険料は金利にプラス)もあります。

「ペアローン」と「ミックスローン」

ペアローンとは

夫婦別々に住宅ローンを組み、それぞれが各自の借入額に対して支払い義務を負います。1つの物件に2つのローン契約を結ぶことになるため、それぞれに住宅ローン控除が受けられ、団信も適用されるというメリットがあります。デメリットとしてはローンを2つ組むのに手間がかかり、手数料なども2倍必要になります。

ミックスローンとは

複数の住宅ローンを組み合わせる方法です。たとえば、変動金利型と固定金利型を組み合わせることで、それぞれのメリットを活かし、デメリットを小さくすることができます。ただし2つのローンを組むことになるため、手数料なども2倍必要になります。

※手数料等は借入先により異なります。

住宅ローン保証料とは

多くの銀行はローンの返済が出来なくなった時のために指定の保証会社による保証を受けることを融資の条件としています。住宅ローン保証料は、万一返済ができなくなった時に、保証会社が代位弁済(債務者に代わって一時的に肩代わりすること)をするための資金として充てられます。ローン保証料は借入額と年数によって異なり、代位弁済されても、債務者の返済義務はなくなりません。

「連帯保証」・「連帯債務」・「担保提供者」の違い

夫婦や家族の収入合算によって住宅ローンを申し込む場合、収入合算者を「連帯保証人」とするケースと、
「連帯債務者」とするケースがあります。これは住宅ローンの種類や金融機関によって異なります。

連帯保証人とは

万一、債務者が返済不能になった場合に返済義務を負う人のことです。債務者ではないため借入に対して持ち分を持つと贈与になり、住宅ローン控除を受けることはできません。

連帯債務者とは

複数の債務者が連帯して返済の義務を負うことです。たとえばご夫婦が収入合算によって連帯債務者となった場合、銀行はどちらにも返済請求ができます。また、どちらかが住宅ローンを完済すれば、他の債務者の返済義務も完了します。 連帯債務者は持ち分を持ち、住宅ローン控除を受けることができます。

担保提供者とは

他人の債務の担保に、自己の持ち分を提供する共有者のことです。債務が履行されない場合、担保として提供したものは債務の弁済に充当されます。

※収入合算者とは
住宅ローンを借り入れる場合に本人の年収だけでは収入基準に満たない場合、配偶者や親子などの収入を加算できます。合算できる対象者や金額の条件などは金融機関によって異なります。

※共有者とは
ひとつの不動産の所有権を、複数で所有している場合を「共有」と言い、共有する人を「共有者」と言います。