お住まい選び

住まい購入の最初の一歩
資金計画について知りましょう。

風呂内 亜矢(ふろうち あや)先生 プロフィール
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFPR認定者、宅地建物取引士
2013年、ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信中。著書『貯金80万円、独身の私にもできた!自宅マンションを買って「お金の不安」に備える方法』

住まいを購入し、所有していると、それぞれの場面で税金がかかります。住まいとなると税額も小さいものではありませんが、購入支援のためのさまざまな特例も設けられています。マイホーム(住まい)購入にまつわる税金についてファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢先生にお話をお伺いしました。

住まい購入にまつわる資金について<[第1回]資金計画の立て方><[第2回]住宅ローンの種類と特徴を知りましょう。><[第3回]税金を知って、賢い住宅購入を。>の全3回に分けて解説します。ご自身のライフプランに合わせた資金計画のためにぜひお役立てください。

住宅購入資金計画 [第3回] 税金を知って、賢い住宅購入を。

1. 住まいの購入と所有。いつ、どんな税金がかかるの?

住まいに関する税金は、下記のフローチャートで表すように、購入の検討を始めた時期から将来の売却時まで、それぞれのタイミングでかかります。特に、取得時には不動産取得税、登録免許税など多種の税金がかかります。詳しくは購入を希望する物件の「資金計画概算書」等でご確認ください。

今回はその中でも、住宅を購入することで適用され、またご自身での確定申告が必要な「住宅ローン控除」と「贈与税の住宅取得等資金の非課税制度」について詳しく見ていきましょう。

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マイホームにかかわる税金の種類

取 得
(購入)

 

保 有

譲 渡
(売却)

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2. 住宅ローンを利用していると所得税控除が受けられるの?

住宅ローン控除とは、住宅を取得するにあたって住宅ローンを利用した人の金利負担を軽減するための制度です。平成31年6月30日までに入居した場合、年末の住宅ローン残高の1%について、10年間所得税等から控除されます。入居予定日をしっかり確認しておきましょう。
※この制度を利用するには、床面積(登記簿面積)50㎡以上などの諸条件があります。

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住宅ローン控除の概要

適用期限

平成31年6月30日までの入居

最大控除額(10年間合計)

400万円(各年の控除限度額40万円×10年)※

控除額

年末ローン残高(上限4,000万)× 控除率(1%)

住民税からの控除上限額

136,500円/年 (所得税の課税総所得金額等×7%)

主な要件

1. 床面積(登記簿面積)が50㎡以上であること
2. 借入金の償還期間が10年以上であること
3. 銀行などの借入金融機関からの借入であること
4. 取得後6カ月以内に入居、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること

その他特例との関係および詳細は必ず税理士・最寄りの税務署等にご確認ください。

※ 認定長期優良住宅、認定低酸素住宅の場合はそれぞれの最大控除額(10年間合計)が500万円(平成31年6月30日まで)

ワンポイント解説

住宅ローン控除を受けるためには確定申告が必要!

給与所得者・自営業者を問わず、住宅を取得した翌年の3月15日までに確定申告をする必要があります。
2年目以降は―――
給与所得者は…年末調整の際に控除を受けることができます。
自営業者は…確定申告の際に他の所得税控除や税額控除と併せて申告します。
確定申告には「借入金の年末残高証明書」や「売買契約書のコピー」等、各種書類が必要になります。詳細は税務署に確認しましょう。

夫婦「ペアローン」の場合はそれぞれに控除!

ご夫婦が別々に住宅ローンを組む「ペアローン」の場合は、ご夫婦それぞれが自らの借入額に対して住宅ローン控除が受けられます。申請は世帯単位ではなく、住宅ローンを借りている人が個人単位で行なう必要があるので注意しましょう。

新築物件の最大控除額は中古物件の倍!

平成31年6月まで、最大控除額は10年間合計で400万円にもなります。さらに認定長期優良住宅、認定低炭素住宅の場合は控除額が最大500万円に。中古物件の個人間売買の場合、最大控除額は200万円のため、新築物件購入の方が住宅ローン控除額の面で優位と言えます。

ケーススタディ

平成28年に5,000万円の新築マンションを購入。年末ローン残高は4,000万円です。平成28年中に入居し、住宅ローン控除の要件は満たしています。1年目の最大ローン控除額はいくらになるのでしょうか?

1年目のローン控除額の算出
「年末ローン残高:4,000万円」 × 1% = 40万円

※自身の所得税・住民税以上には控除されません。

ワンポイント解説

控除しきれない場合は翌年の住民税から控除!

控除される所得税の額はその年の納税額が上限です。納めた所得税が住宅ローン控除額よりも少なく、控除しきれなかった場合は、翌年の住民税からも控除(上限136,500円)される措置があります。

「認定長期優良住宅新築等特別税額控除」なら現金購入でも控除!

認定長期優良住宅に該当する新築住宅を購入し、平成31年6月30日までに入居した場合、住宅ローンを利用しなくても、控除の対象となります。

控除額 認定長期優良住宅について講じられた構造及び
設備に係る標準的な費用の額(最高650万円)× 10%

適用には各種要件があります。詳細は税務署に確認しましょう。

最大30万円※1 が支払われる「すまい給付金」!

「すまい給付金」は、消費税率引き上げによる住宅取得者の負担を緩和するための制度です。入居後すぐに申請ができ(※2)、居住している共有者の方も対象となります(※3)。

  1. ※1消費税率8%時は収入額の目安が510万円以下の方を対象に、最大30万円給付。消費税率10%時は収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円を給付。
  2. ※2申請期間は引渡しから1年3ヶ月以内です。(当面の間)
  3. ※3持ち分を共有している場合は持ち分割合を乗じた金額になります。詳しくは国土交通省ホームページをご覧ください。

海外居住者も住宅ローン控除の対象に!

平成28年度税制改正により、海外居住者が引渡時に日本住所を有していない場合でも、住宅ローン控除の適用ができることになりました。これにより、海外転勤者の方でも以前より住宅購入しやすくなっています。

3. 親から住宅購入の資金援助を受けた時に、贈与税を軽減するには?

「贈与税/住宅取得等資金の非課税制度」

「住宅取得等資金の非課税制度」とは、住宅取得資金としてご両親や祖父母などから贈与を受けた場合に、一定の金額が非課税となる制度です。この制度は単独で使うことも、「相続時精算課税制度」や110万円の基礎控除と組み合わせて使うことも可能です。

この制度を利用するためには、下記のような適用条件が定められています。

住宅取得等資金の非課税制度 適用条件(一部抜粋)

1直系尊属(父母・祖父母等)からの贈与であること

実の父母だけでなく祖父母からの贈与も適用可能です。

2贈与を受ける者がその年の1月1日において20歳以上であること

贈与を受ける者は贈与があった年に成人していないと適用を受けられません。

3贈与の翌年3月15日までに住宅の引渡しを受け、同日までに居住していること

贈与を受けた年の翌年の3月15日までに物件の引渡を受けることができなければ、適用となりません。また同日までに住み始めるか、または住むことが確実であると見込まれ同年の12月31日までに住み始めなければいけません。

4建物の登記簿面積が50㎡以上240㎡以下であること

登記簿面積で50㎡以上240㎡以下の物件が対象となります。(震災被災者は除く)

5贈与の翌年の2月1日から3月15日までに贈与税の申告を行っていること

贈与税が発生しない場合でも、申告期限内に贈与税の申告が必要になります。

※ このほかにも所得金額の上限などの条件もあります。
詳しくは、購入希望物件の担当者や最寄りの税務署、税理士に相談しましょう。

非課税の限度額

非課税の限度額は契約締結時期および住宅の内容によって下表のようになります。
例えば、平成28年中に契約を締結すると、最高3,700万円まで贈与税が非課税になります。
〔消費税8%+良質な住宅家屋の1,200万円+相続時精算額2,500万円=3,700万円〕

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非課税の限度額一覧表

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結期間 1. 住宅を消費税10%で取得 2. 住宅を消費税8%で取得
家屋※1
良質な住宅用
左記以外の
住宅用家屋
良質な住宅用家屋 左記以外の
住宅用家屋
~平成28年9月 1,200万円 700万円
平成28年10月~平成29年9月 3,000万円 2,500万円 1,200万円 700万円
平成29年10月~平成30年9月 1,500万円 1,000万円 1,000万円 500万円
平成30年10月~平成31年6月 1,200万円 700万円 800万円 300万円
  • ※「良質な住宅用家屋」とは国土交通省告示第389号の基準を満たした住宅をいいます。購入を希望する物件がこれに該当するかは、物件担当者に確認しましょう。
  • ※ 消費税10%への引き上げ時期は未定です。
ケーススタディ

35歳のAさんが親から新築マンション(消費税8%、良質な住宅用家屋に該当の物件)の住宅購入資金として平成28年8月に1,300万円の贈与を受けました。平成28年12月にマンション取得の契約を締結、平成29年1月引渡し予定、相続時精算課税は使用しません。この場合の贈与税はいくらになるのでしょうか?

贈与税の算出
「贈与額:1,300万円」―「非課税枠:1,200万円」―「基礎控除額:110万円」
= 贈与税0円
ワンポイント解説

税務署に贈与税の申告が必要です!

「住宅取得等資金の非課税制度」および「相続時精算課税制度」は、贈与を受けた本人が最寄りの税務署に贈与税を申告する義務があります。申告期間は贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日です。たとえ税金が生じなくてもこの期間内に申告しないと「住宅取得等資金の非課税制度」および「相続時精算課税制度」が適用されなくなってしまい、「贈与税(暦年課税)」の課税対象となるので注意が必要です。