令和6年度版 税金の手引
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55●譲渡所得計算式●税額計算式■税率表●譲渡所得の計算●特定事業用資産の買換え特例の対象となる譲渡資産・買換え資産の範囲買い換えのために売る資産(譲渡資産)と買う資産(買換資産)は、共に事業用のものに限られます。この特例の適用を受けるためには、譲渡資産と買換資産とが、一定の組合せに当てはまらなければなりません。代表的な組合せは右表の通りです。税率譲渡代金≦買換え代金①譲渡収入金額………譲渡代金×20%②取得費・譲渡費用………(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×20%③譲渡所得……………①−②短期(譲渡の年の1月1日で5年以下)①譲渡収入金額…………(譲渡代金−買換え代金)+(買換え代金×20%)②取得費・譲渡費用………(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×①③譲渡所得…………………①−②国内にある事業用の土地等や建物・構築物で、譲渡の日の属する年の1月1日現在の所有期間が10年を超えるものを、2026年(令和8年)3月31日までに譲渡地域再生法の集中地域以外から集中地域へ買い換えする場合は、上記計算式の20%が25%(東京都の特別区へ買い換えする場合は30%)となります。その他詳細な要件につきましては、事前に税務署又は税理士にご確認ください。譲渡所得=譲渡収入金額−(取得費+譲渡費用)税額=譲渡所得×税率(所得税・住民税)所有期間譲渡資産長期(譲渡の年の1月1日で5年超)(…………………………………………)20.315%所得税15.315%  住民税5%譲渡代金>買換え代金譲渡代金買換え資産国内にある土地等(事務所等一定の建築物等の敷地の用に供されている面積300㎡以上のもの)、事業用の建物・構築物賃貸用の不動産を売却した場合の取扱い自己が居住していた不動産の売却ではないので、譲渡益が出た場合のマイホームの3つの特例(P47参照)及び譲渡損が出た場合の損益通算・繰越控除の特例(P48参照)は利用できません(詳しくは、P31の「不動産を売却するときの税金」をご覧ください)。事業用不動産を売却した場合に利用できる特例として代表的なものは、「特定事業用資産の買換え特例制度」があります。特定事業用資産の買換え特例制度個人が事業の用に供している特定の土地建物等を譲渡し一定期間内に特定の土地建物等の資産を取得し、その取得の日から1年以内に買換資産を事業の用に供した場合に適用を受けることができます。この特例を受けますと、売った金額より買い換えた金額の方が多いときは、売った金額に20%を掛けた額を収入金額として譲渡所得の計算を行います。売った金額より買い換えた金額の方が少ないときは、その差額と買い換えた金額に20%を掛けた額との合計額を収入金額として譲渡所得の計算を行います。(………………………………………)39.63%所得税30.63%  住民税9%賃貸マンション・アパートにかかわる税金15賃貸マンション・アパートを売却したときの税金賃貸マンションのような事業用の不動産を売却した場合も居住用不動産の売却と同じく譲渡所得に対して所得税・住民税が課されます。譲渡損失が発生する場合は、所得税・住民税は課税されません。その譲渡損失は、同年中に売却した他の不動産の譲渡益と損益通算することは可能ですが、給与所得などの他の所得と損益通算することはできません。

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