令和6年度版 税金の手引
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AA共働きで何年も経っており、預貯金の区分のつかないご夫婦がいるのではないでしょうか。預金の区分けのために今から何年も前の預金通帳を引っぱり出して整理しなければと悩んでいませんか。このような場合、会社から過去5年間の収入証明(「源泉徴収票」など)をもらい、二人の収入を並べてみましょう。右記の算式でそれぞれの出資割合を算出することができます。パソコンで作成しても手書きのものでも形式は問いません。借入金額・…利息・返済期間等の借入条件をしっかり記載してください。…なお借入金の金額に応じた収入印紙(P17参照)を貼り、消印することを忘れないでください。市中金利と比べ極端に低い金利や無利息であると、借りる人に経済的利益が生じるため、贈与税課税の問題が起こる可能性があります。返済は“持参払い”よりも“振込”がよいでしょう。返済した確実な証拠を振込用紙や預金通帳で証明できるようにしてください。…返済は原則借りた翌月からとし、異常に長い据え置き期間(例えば1年後とか2年後)を設けないようにした方がよいでしょう。親の年齢を考慮した常識的な返済期間にしてください。たとえば、75歳の親に35年返済は非常識と判断されます。金融機関では年収の一定割合以下の返済額となっているかで貸付の判断をしています。年間総返済額は他のローン返済額も含め年収の40%以内を目安としてください。以下の条件に注意(注)妻の出資金額は同じように分子を「妻の過去5年分の年収」と置き換えて計算します。贈与となる可能性有2 06「親子間借入れ」では次の2つの相談が多くあります。●返してもらわなくても良いといわれている、又はある時払いの催促なしの場合、贈与となるか?●実際に借りて返済を行なう場合の条件は?贈与とみなされ贈与税が課税されるような無用の誤解を生まないように次の点に注意し、きちんと借入れについて取り決めをしてください。①金銭消費貸借契約書を作成する②一定の利息はつける③契約書に従い毎月確実に返済する④返済期間は返済完了年の親の年齢がおおむね80歳までの期間とする⑤他の住宅ローンとの兼ね合いで返済可能な償還金とする夫婦の全預金額×夫の過去5年分の年収夫の過去妻の過去5年分の年収5年分の年収=夫の出資金額不動産の持分1:ローン申込時の注意点ご夫婦がそれぞれ住宅ローンを借りて購入する場合、ローンの形態として次の3つが考えられます。①それぞれが個別債務者として申し込み住宅ローンを借りる。 ご夫婦それぞれ借入れしたローンをそれぞれの持分に反映してください。②夫を主たる債務者、妻を収入合算の連帯保証人として住宅ローンを借りる。 借入金は夫の単独の借入れとなりますので、ローンの全部が夫の持分に反映されます。③夫を主たる債務者、妻を収入合算の連帯債務者として住宅ローンを借りる。 ご主人・奥様連帯の債務ですので、どちらの債務としてもかまいません。債務は半々ずつ負担するなどお二人で負担分を決めてください。 その場合それぞれ負担する債務を持分に反映させてください。取り決めた債務は必ずそれぞれが返済するようにします。2:奥様がローンを組んだ後、出産等で退職した場合仕事を辞め収入が無くなった後の奥様の住宅ローンは、ご主人が負担することになります。この負担したローンの償還金が、ご主人から奥様への贈与とされ贈与税の対象となる恐れがあります。長期にわたり返済しなければならない住宅ローンです。将来奥様が仕事を辞める可能性がある場合、奥様のローンの負担を少なくしておく工夫が必要でしょう。不動産を購入するときの税金夫婦が共有でマイホームを購入し、夫婦二人でローンを組んだ場合の注意点は? 共働き夫婦で、名義の区分ができない預金の扱いは?親子間借入れの注意点は?(…  ………)(…  ………)Q.01AQ.02Q.03

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